2023年度大会について
[開催趣旨] 大隈重信の発案により、明治5年(1872)は12月2日をもって終わり、その翌日が明治6年(1873)1月1日となった。天保暦(太陰太陽暦)からグレゴリオ暦(太陽暦)に乗り換えたわけで、日本開闢以来約二千年間使われてきた中国起源の暦法を捨て去ったのである。明治政府による一連の欧化政策のなかであまり注目されていないけれども、時間に関わる重要な改革だったといえよう。今年はその150周年にあたる。 儒教において暦の制定・頒布は政治的な意義を持ち、皇帝が直接統治する領域内はもとより、周辺朝貢国もその「正朔を奉ずる」ことが求められた。その暦法は太陽と月の運行にもとづく精密な予測計算に、経学や数理学を組み合わせた複雑なものだった。このシンポジウムでは、古代中国における暦法理論、古代日本における暦の継受と制定、明治改暦の社会的影響、の3つの報告をもとに暦法の意義について検討していきたい。
シンポジウムは早稲田大学東洋哲学コースとの共催ですので、会員以外の方も無料で聴講できます。 当日早稲田大学歴史館にて大隈重信の改暦関係文書を特別に展示する予定です。 歴史館アクセスマップ(早稲田大学公式Webサイト)